私はラーメンがだいすけ。いや、大好きなのであーる。
私がラーメンと出会ったのは、小学生の頃、
当時から、将来が不安になるほど、授業中騒いで、先生に再三ぶん殴られ(実話)
それでも、 授業なんてそっちのけで校庭でセミの死骸みつけたり、女の子のスカートめくりしたり
嫌がる女子を眺めながら、眉をハの字にすくめチョコバットをくわえながらにやついていた。(誇張)
それはもうアンタッチャブルのデニーロも顔負け。(誇張)
そんな生活にも嫌気がさしていた頃、私は出会った。
ある日の夕暮れ。
テレビの相撲中継に飽きた私は庭でシコをひたすら踏んでいた。それはもう砂埃で自分の姿が隠れる程に高速なシコを。この技の名を”シコシコ”と名付けて満足していた。
その時だ、背後から
『今日はお外に食べに行くわよ~』
と部屋の中から母親の呼ぶ声。
一瞬時が止まり、すぐさま
『やったー』
私はピーンとこぶしを突き上げて、その場でぴょーんと垂直にジャンプすると、すぐに洗面所へ行き
汚れた手と足を薬用石鹸ミューズでしっかり洗い流し、ついでに穿いていたブリーフも穿き替えた。
身だしなみにはうるさいタイプだった。そう当時はキングカズこと三浦一良に憧れ意識していたのだ。
身支度を済ませ、私たちはラーメン屋へと足を運んだ。
店の前にはメニューのサンプルが置かれたケース。
私は、それを見ながらひとつひとつの味を想像した。
はやる気持ちを抑えて店のドアを開けた。
『いらっしゃい!』
頑固そうでもない、穏やかな顔をした店の主人がむかえてくれた。
『ご注文は?』
私はお子様セットを注文した。
内容はしょうゆラーメンにチャーハン、デザートとおもちゃ。
しょうゆラーメンにはチャーシューとわかめとメンマ、それにコーンと半分に切ったゆで卵がトッピングされたもの。
私は驚いた。レンゲとは別に穴の開いたステンレス製のレンゲが一緒にトレーに乗ってきたのだ。
この穴の開いたレンゲはスープを下に逃がしコーンだけをうまくすくう事が出来るアイディア道具なのだ。
小学生の私にはこれがドラえもんの道具のようにキラキラ光ってみえた。
おまけのおもちゃよりもこのレンゲを持って帰りたいぐらいに魅力的だったのだ。
そんな道具の面白さとシンプルであっさりしたこのしょうゆラーメンが大好きになった。
それ以来ラーメン屋に行くのが楽しみになり、その店の様々なラーメンを食べた。
そして、ある時私は思いついた。
『こんな幸せな時間がずっと続いてほしい。 そうだ、大人になったらラーメンで家をつくろう!風呂には塩ラーメンのスープ。トイレのウォシュレットはとんこつだ!』
私は本気だった。
時は流れて、あれから数十年。
今私は廃品回収の仕事をしている。
つまり、ほとんど家でゴロゴロしている。
私に生活保護が不要な程度の老後の蓄え!そしてそのための仕事を!