布団。それは人生の3分の1を過ごす睡眠というパラダイスタイムを過ごす上で、無くてはならないアイテムである。
いやまあ、無くてはならない、とか言っても、別に無くてもどうにかなるんだけどね。
縄文時代の人は布団なんか使ってなかったろうし、現代だって通販じゃないアマゾンの奥地で槍持ってリアル狩猟生活を送っている原住民の皆さんは、布団なんか使ってないわけで。
でも、多くの人は使ってる、それが布団。使ってるよね? 裸で冷たいコンクリの上に寝るのが好き! コンクリに体温奪われて爪が紫になっていくのがタマンナイっていう本格派の人はあっち行ってて!!
それはともかく、布団である。毎日使っていると、そのうち固くなってくるでしょ? 煎餅になってくるよね? こんなに固くして、はしたない子ね! とか布団に向かって言ったりするよね? たまーにキノコとか生えてくるよね? 食っても1UPとかしないやつ。むしろ1DOWNしそうなヤツ。万年床を数年ぶりに剥がすと下の床板が腐ってたりするよね? うんうん、わかる。わかるよー。
で、そんな布団はやっぱり別れを惜しみつつ捨てなきゃなんないわけで。でも意外とこの布団って捨てるのが厄介なわけなのだ。でかいし、切り刻んでゴミ袋に入れるって手もあるけれど、それはそれでまたえらい苦労するし。
さらに言うと、布団というのは毎日身体に密着しているわけで、自分の汗とか涙とかよく分からない汁とかエキスとか、そんなものがいっぱい、いーっぱい染み込んじゃってるわけだ。ある意味もう一人の自分がそこにいるって言ってもいいくらいだったりする、そーいうモノだ。モノなのだ。
そんな布団を捨てる時というのは……ああ、それはそれはもうドラマ! ターミネーター2のラストシーンくらいのドラマ! 新たに涙とか変な汁とか染み込んじゃうよ! あいるびーばっくとか言って戻って来られても困るけど。
そーいった「布団を捨てる時ドラマ」の例をいくつか挙げると……。
それこそ元の色もわからないくらいに変色して、じっとりしてて、ガスマスクを装備したくなるような異臭を放つ物体Xと化した万年床を、腐った床板踏み抜きつつ回収して捨てたり、人の形の染みが付いたワケアリ商品を回収して捨てたり、まだ酒臭い太った旦那が布団の上で寝てるのに「あ、それもゴミだから一緒に捨てて」とか、まさにゴミを見る目で言う奥様の指示を受けつつ回収して捨てたり、そんな感じ。
今となっては、もはや布団を見ればその人が分かるって境地に段々近づいている自分を感じるね。そんな境地に達したくなかったけどな! いや割とマジで!